漆の精製
あらみには、樹皮やごみなどが混ざっているので、まず少し加熱して流動性を上げてから濾過をする。現在は、綿を加
えた上で、遠心分離器で分離する方法も使われている。濾過が終わったものは生漆(きうるし)と呼ぶ。
生漆の精製は、攪拌して成分を均一にして粒子を細かくする「なやし」と天日などで低温で水分を蒸発させる「くろめ
」という二つの工程に分類される。また、これらの工程で用途や品質に合わせて油分や鉄分等の添加剤が加えられて精
製漆となる。
精製時に鉄分を加えると、ウルシオールなどとの化学反応で、黒い色を出す事ができ、黒漆(くろうるし)となるが、
鉄分を加えないと色の薄い透漆(すきうるし)となる。
精製漆には有油系と無油系の二系統に大きく分類される。一般に有油系は発色・つやがよく加飾や上塗りに用いられる
、無油系は研磨(研ぎ出しや蝋色仕上げなど)に向いている。
精製が終わった透漆には、必要に応じて朱色(辰砂)などの顔料を加えて色を付けて使用する。
漆塗の起源
以呂波字類抄に、日本における漆塗の起源として次のような話が載っている。
倭武皇子(やまとたけるのみこ)は、宇陀の阿貴山で猟をしていたとき大猪を射たが、仕留めることができなかった。
漆の木を折ってその汁を矢先に塗って再び射ると、とどめを刺すことができた。そのとき汁で皇子の手が黒く染まった
。部下に木の汁を集めさせ、持っていた物に塗ると美しく染まった。そこでこの地を漆河原(現在の宇陀市大宇陀区嬉
河原(うれしがわら))と名附け、漆の木が自生している曽爾郷に漆部造(ぬりべのみやつこ)を置いた。
即身仏と漆
自分自身のミイラを仏像、すなわち即身仏とした修行者達は身体の防腐のために予めタンパク質含有量の少ない木の実
のみを食する「木食」を行うと共に、「入定」(死して即身仏となること)の直前に漆を飲んでその防腐作用を利用し
たという。
最も一般的な用途は塗料として用いることである。漆を塗られた道具を漆器という。黒く輝く漆塗りは伝統工芸として
その美しさと強靱さを評価され、食器や高級家具、楽器などに用いられる。
漆は熱や湿気、酸、アルカリにも強いが、紫外線を受けると劣化することが知られている。極度の乾燥状態に長期間曝
すと、ひび割れたり、剥れたり、崩れたりする。腐敗防止、防虫の効果もあるため、食器や家具に適している。
黒漆と赤漆を用いて塗り分けることも行われる。昭和以後は酸化チタン系顔料(レーキ顔料)の登場により、赤と黒以
外の色もかなり自由に出せるようになった。
漆を用いた日本の工芸品では京漆器がよく知られており、漆塗りの食器では、輪島塗などが有名。竹細工の駕籠を漆で
塗り固めるもの(籃胎)や、厚く塗り重ねた漆に彫刻を施す工芸品(彫漆)もある。
碁盤の目も、伝統的な品では黒漆を用いて太刀目盛りという手法で書かれる。
接着剤
江戸時代などには、漆を接着剤として用いることもよく行われた。例えば、小麦粉と漆を練り合わせて、割れた磁器を
接着する例がある。硬化には2週間程度を要する。接着後、接着部分の上に黒漆を塗って乾かし、さらに赤漆を塗り、金
粉をまぶす手法は金継ぎ(きんつぎ)といい、鑑賞に堪える、ないしは工芸的価値を高めるものとして扱われる。
『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
漆にまつわる伝承について調べてみました。
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